現代の死亡原因の1位でもある、「がん」。その中でも口腔がんは、死亡率46.1%(第10位)の病気です。口腔がんは、口の中に発生するがんで、歯以外のどこにでも発生する可能性があります。舌、歯肉(歯茎)、口腔底(舌の下)、頬粘膜、口蓋、口唇にできますが、その中でも日本人は「舌がん」になる割合が高いとされています。
しかし、口腔がんの5年生存率は60~80%と比較的高く、初期の段階で発見・治療をすれば、十分に元の生活を取り戻すことが可能です。しかし、かなりステージが進行してしまうと、舌や顎の骨を切除しなければならなくなり、食事や会話に不自由をきたしてしまいます。
これに対して、アメリカをはじめとした先進諸国では、口腔がんの早期発見・早期治療が積極的に行われているため、がんになる確率は高くても、死亡率は減少傾向にあります。しかし、日本はどちらも増加の一途をたどっています。
これは、日本において口腔がんの認知度が他のがんに比べて低いことが最大の原因と言われています。歯科医院に通うことで口腔がんがどういうものなのかを認識し、早期発見につなげることがとても重要です。